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※大日本男復権協会・・・男の威厳を取り戻そうとする組織。「女は貞淑であるべき」と主張する。創始者は東郷寺重右衛門。
男復権協会は、若虎塾という教育機関を有していた。
若い男子を対象に武芸、学問・教養を教え、将来の幹部候補を育成してた。
塾生の中で優秀なものは主導部に選ばれ、塾生たちをリードしていた。
その中のトップは首席と呼ばれ、西条が務めていた。
次席の土田は西条と同期で入塾から切磋琢磨してきた。
その年の新塾生に楠木という男がいた。
容姿端麗で武芸に長け、学業も優秀であった。
まわりから注目されている存在であった。
あるとき、東郷寺がたまたまテレビでスポーツニュースを見ていると急に激怒した。
「ぐぬぬっ、、、なんとかせねば、、、若虎塾の優秀なのにやらせよう」
東郷寺は若虎塾に出向いて、主導部の面々を呼んだ。
「びーちばれーとかいう破廉恥なスポーツがある。大和撫子が半分尻を出しておる。嘆かわしい、、、、おいっ、西条!!」
「オスッ!」
「ケツ出し女と決闘だ!相手を打ち負かしてモンペを履かせろ!相手は2人組だから、お前が相方を選べ!」
「御意!」
次の日、土田は西条に呼び出された。
「きっと俺を相方に選ぶんだろうな。アイツと組んで戦ってみたいぜ」
胸膨らませて西条の部屋に入った。
「あのな、土田。今回の戦いで、、、」
「おう。(俺が指名される、、、)」
「お前には補佐役をお願いしたいんだ」
「ええっっ!!お、俺は次席だぜ。お前に次ぐナンバー2なんだ。同期でずっと一緒にやってきたじゃないか」
「すまん。どうしても新塾生の楠木とやってみたいんだ」
「え、、、わかったよ、、、」
土田はビーチバレー選手のところに行き、決闘を申し入れた。
そのことを西条に報告しに行った。
「オラァ!楠木!こんなんじゃあ勝てないぞ!」
「オスッ!」
西条は楠木と二人きりで武道の練習をしていた。
「あの、、決闘の日時が決まったから、、、」
「ご苦労」
別の日のこと。
「楠木、出身はどこだ?」
「大分です」
「おお、俺もだよ!!」
「同郷の方がいるなんて嬉しいです!」
二人は楽しそうに談笑していた。
「おいしいトンカツの店があるんだ。今晩、一緒に食いに行かないか?」
「大好物です。ぜひ、行きましょう!!」
楽しそうな二人をじっと見ている男がいた。
「うううぅぅぅ、、、なんだ、このこみ上げる嫌な感情は、、、、
うううぅぅぅ、、、苦しい、、、我慢できん、、、」
土田はひとり暗い部屋の中で唸っていた。
*** つづきに行く ***