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前篇をまだ読んでない方はコチラ・・・>突然現れた恐怖
ーーー 前回のあらすじ ーーー
連続強姦魔が捕まった。男の供述によると女性に飛びかかったら、かわされ、頭を壁に強打し気絶したとのことだった。私はそのことに疑問を持ち、襲われそうになった女性を取材することにした。
事件が起きた日、彼女は倉庫室に入ると、突然大柄な男が現れ、声を出すなと脅してきた。
「私は、もう恐怖で、、、、」
彼女は言った。
「そうでしょう」
「男はカギを閉めるように命令しました。私は黙って従うしかありませんでした」
「ふむ」
「私は暴行されると思いました。それを回避する方法を必死で考えました」
「どんなことを考えました?」
核心部分に入ろうとしてきた。
「私は、、、その、、、その男性の、、、」
「ん?」
「その男の急所の高さがどれくらいか必死に確かめました」
「男が私に近づき、抱きつこうとした瞬間、私は電気のスイッチを切りました」
「ほうほう、、、」
「真っ暗な中、私は男の急所を掴みました」
「なるほど。そのために高さを目測したんですね」
「ええ、、、、」
「男は暴れたでしょう?」
男の私は、彼がどうしたか知りたくなった。
「はい。怒鳴り声をあげ、拳を振り回したり、私の体を捕らえようとしました」
「あなたは大丈夫だったのですか?」
「はい。男の後ろに回ってたので。私が小さかったから、私を殴ったり捕まえることができなかったんです」
「なるほど。小さい体が有利に働いたんですね。で、どれくらい強く握ったのですか?」
彼女はおもむろにゴムボールを2つ取り出した。
「こういう風にギュ~っと。両手で」
彼女の指はゴムボールに食い込み、一気に変形した。
小柄で可憐に見えるが、体操で鍛えた握力は想像を超えていた。
「絶対に離すもんですかという気持ちで握り続けました」
「男の体から力が無くなって、手を離しました。男は股間をおさえて気絶していました」
「なるほど。そういうことだったんですね。ありがとうございました」
「あっ、記者さん。”小柄な女が大男の急所を握って撃退!”みたいな面白おかしい記事を書くんですか?」
私はドキッとした。
「私は死ぬほど怖い思いをしました。自分より遥かに大きい男が女の私に襲いかかってきたんですから。記者さんにはこの恐怖は分からないと思いますが」
「いや、そんなことは、、、、」
「女が強い時代と言われていますが、やっぱり男性の暴力は女にとって恐怖なんです」
私は考えさせられた。
私は男の顔写真と実名を掲載した。
やはりこのような卑劣な犯罪は許すことができないと考えたからだ。
そして、男がなぜそのような犯行をするようになったのかという考察を記事にした。
*** おわり ***