前篇はコチラ・・・>勝ち目のない闘い
ーーー 前回のあらすじ ーーー
サリナたちは子供たちに寄付するマスクを商社に発注した。それが原因で男復権協会はマスクを購入することができなかった。腹を立てた東郷寺は手下の暮石にサリナを懲らしめるように命令した。暮石一味はサリナたちのマスクを強奪し、サリナを呼び出した。
サリナは暮石一門のところに行った。
奥の道場に入ると椅子にでんと座っている男がいた。
背後には大勢の門弟を従えていた。
すごい威圧感だった。
「あなたが暮石陸蔵ね」
サリナは座っている男に聞いた。
「左様。よく来たな。男の武道家は俺の名前を聞いただけで逃げるんだがな」
その男は答えた。
「マスクを返して」
「それは、俺を倒してからだ」
男は立ち上がった。
人を食ったような表情、スキのない構え。
暮石陸蔵はサリナにゆっくりと近づいてきた。
「うっ、どうしよう、、、うかつに手を出すと、捕まって絞められるし、、、」
サリナは圧倒された。
「さあ、お嬢さん、どうぞ。マスクを返してほしいんでしょ?」
暮石は煽った。
「このままでは、、、でも、打つ手が見当たらない、、、」
サリナは焦った。
追い詰められたサリナは突きを出した。
暮石のペースにはまり、”なにか手を出さなきゃ”という状況になってしまった、というほうが正確だろう。
「フフフッ」
暮石は余裕しゃくしゃくで腕を捕まえた。
「じゃあいかせてもらうよ、お嬢さん」
そう言うや否や、、、、
目にもとまらぬ速さでサリナのバックを取り、手足の自由を奪った。
「ヒィーーーー!!凄すぎ!!」
サリナは驚いた。
「もう勝ち目はないぞ。降参するか?」
暮石は聞いた。
「いやいや、まだよ」
サリナは反射的にそう答えた。
彼女は必死で打開策を考えた。
そして、栗田師範の言葉を思い出した。
「懐に入るのもひとつの手、、、」
「ん?アレを感じる、、、、なんとかなるかも」
サリナはなにかを閃いた。
サリナは腰を動かし始めた。
「なにしてる?今まで遠慮してたけど、絞め落とすぞ!!」
暮石は宣言した。
「よし!捕らえた!」
サリナは叫んだ。
「こんなド素人、、、すぐに落としてやる」
暮石はサリナを絞めはじめた。
「女のおしりは武器にもなる」
サリナは暮石のキンタマを圧迫した。
「この女っ~~」
暮石はさらに力を込めた。
「うううぅぅぅ、、、、負けないわ、、、、」
サリナはすべての力をおしりに集中させた。
最強武術の絞め技とキンタマ圧迫の戦いになった。
「まいりました、、、、」
勝負は決した。
降参したのは、男の方だった。
暮石は股間をおさえ、弱々しく倒れていた。
五百戦無敗、武道界最強の男は、女に負けた。
門弟たちは驚き、悔しがり、泣く者もいた。
サリナはマスクを返してもらった。
言いたいことはあったが、無言で去ってあげた。
マスクは、無事に子供たちに配られた。
喜びの声がサリナたちに届いた。
ところで、暮石一門はどうなったか?
離脱する門弟たちが増えているのが悩みの種だった。
いっぽうのサリナは?
キンタマの感触がお尻に残っているのが悩みの種だった。
*** おわり ***