ある日、宮川紗麻亜のもとに一通の招待状が届いた。
差出人は、なんとアラブの石油王アハメド・ハッサン氏からであった。
「親愛なる紗麻亜様。
来月、私所有の島でビーチバレーの世界選手権を開催いたします。
もちろん、渡航費はお支払いいたします。
滞在は、私の別荘で、食事、エステ等すべて提供いたします。
なお、賞金総額は10億ドルです。
是非、ご参加ください」
という内容であった。
素晴らしい条件なので、彼女は喜んで参加することにした。
ハッサン氏所有の島はため息が出るほど美しかった。
世界各国から一流の選手たちがこの島に集っていた。
豪華な歓迎会が催され、招待された女子選手たちは感激した。
また、滞在する部屋も広々として、趣味がよかった。
「いつも泊まっている安宿とは大違いね」
「うん、すっごく気に入ったわ!!さすが石油王!!」
宮川ペアは順調に勝ち上がった。
この日は、同じ日本から来た坂口佳穂のペアを破った。
試合後、紗麻亜が部屋で休んでいると、ハッサン氏の遣いの者がやってきた。
「お休み中、すみません。王があなたにお話があるので、来てください」
「えっ?なにかしら?」
彼女はなぜ自分が呼ばれたのか気になってしょうがなかった。
遣いの者は彼女を王専用の別邸にある地下室まで案内した。
そこに石油王は座ってた。
「ミス・サマア、素晴らしい勝ちっぷりですね」
「光栄です。でも坂口佳穂の実力じゃあ、まだまだ私達には勝てませんね」
「でもねえ、お前は勝ってはいけない相手に勝ったんだよ!!佳穂を優勝させて、ワシの愛人にするつもりだったのに!!」
「そんなこと言われても、スポーツは真剣勝負です」
「お前は空気が読めないのか!!おまけにおまえは脚が太くて見苦しわい!!」
「そんな、、、石油王だからって、失礼すぎます!!」
「ええい!ワシのペットのジョージを呼んで来い!!」
そう言うと、召使は奥から相撲取りくらい大きなゴリラを連れて来た。
「ジョージ、この女を思いっきりかわいがってやれ!!」
紗麻亜はどうしようか必死で考えた。
力では絶対に敵わない、、、、なにかいい方法は、、、、
ゴリラをよく見るとキンタマが見えた。
「突破口はソコしかない、、、」
ゴリラは起ち上がり、胸を叩いて威嚇した。
その時に彼女はゴリラのキンタマを思い切り蹴り上げた。
ゴリラは大きな背中を丸め、生まれた初めて味わうオスにとって最大の痛みに悶絶した。
「オスゴリラでよかったわ、、、、」
彼女は、そう呟いた。
「ジョ、ジョージ、、、、相撲の横綱、ボクシングのチャンプですら恐れをなしたワシのジョージが、、、、」
ハッサン氏は今にも泣きそうな顔になった。
「この大会は佳穂を優勝させ、あなたの愛人にするという茶番だってことを皆に公表するわ!!」
そう言って、彼女は出ていった。
女子選手たちは全員、すぐに島を出ていった。
*** おわり ***