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ーーー 前回のあらすじ ---
バレー教室会場のカギを盗み出したのは、男復権協会の蟹江一味だった。
返してほしければ指定の場所に来いと蟹江はサリナを呼び出した。
蟹江は決闘して勝ったならカギを返すと約束した。
そこでまず彼女は彼の弟子たちを倒した。
「そう簡単にはいかんぞ!」
サリナと蟹江は対峙した。
蟹江は独特な構えをした。
(股を開いて、、、、金的がガラ空きね。よし、こいつのも蹴り上げてやる!!)
サリナは金的をロックオンした。
「おりゃっーー!!」
「エイッ!!」
蟹江は手で掴もうとし、サリナは蹴りを出した。
足のほうが長いので勝負あったかに思えたが、、、、
蟹江は電光石火の速さでサリナの金蹴りをももで挟んで防いだ。
「うわっ!私の得意技が、、、、」
「フフフッ。俺は挟むのが得意でね。講道館では無双ガニと呼ばれていたんだ」
「喰らえ、俺様の得意技を!!」
蟹江はカニばさみでサリナを倒した。
「俺はカニばさみの名手として名を馳せていた」
「だが、ある試合で若手有望選手にこの技をかけて、大ケガをさせてしまった。そしたら、、、、」
そう言うや、蟹江は寝技をかけようと襲いかかってきた。
「講道館から追放さ、、、」
そう言いかけたとき、サリナは長い足を蟹江のアゴにかけ、弾き返した。
「俺が語っている最中に!!」
蟹江は完全にスイッチが入った。
サリナは得意の金的蹴りは防がれるし、不慣れな寝技に持ち込まれたりと弱気になってしまった。
蟹江はじりじりと迫り、サリナは徐々に後ろに下がっていった。
(まずい。相手はいわくつきの柔道家。私は所詮、女の子、、、、)
(このままではやられる、、、どうすればいいの??)
サリナは追い込まれていった。
(もし栗田師匠ならどうするだろう?)
サリナは師匠の教えを走馬灯のように想いかえした。
そうすると、あることを思い出した。
(相手のほうが強い。それなら、、、、これに賭けてみよう、、、、)
「いくわよ!!このタラバガニめっ!!」
気合一閃、サリナは踏み込んだ。
「また金的蹴りか。挟んでやるぜ」
「必殺の、、、、、」
「寸止め金蹴り!!」
サリナの足は急所の数センチ手前でピタッと止まった。
だが、蟹江は勢いよく股を閉じた。
蟹江はキンタマを股に挟んでしまった。
「フフフッ。これが武術の極意”相手の力を利用する”ってやつよ」
「フガッ、、、フガッ、、、フガッ、、、」
蟹江は倒れた。
「お前の勝ちだ、、、、約束通りカギを返そう、、、、」
「カニだけに泡を吹いてるわね」
サリナはカギを取り返し、その場を去った。
バレー教室は遅れたものの、なんとか開催された。
子どもたちは目をランランと輝かせながらサリナたちの指導を受けた。
その日はとても盛り上がった。
*** おわり ***