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場所は小さな漁村の釜ヶ谷村だ。

その村に鬼が浜神社という神社があった。
そこには、まるで生きているような赤鬼が祀られていた。
赤鬼に関する伝承話が独特ということで、SNSで取り上げられ、ちょっとした話題になっていた。

昔々、釜ヶ谷村で赤鬼が大暴れして村人たちは困っていた。
男たちが取り押さえようとしたが、反撃にあった。
噂を聞いたとなり村の巫女が赤鬼のイチモツに封印の符を貼ったところ、鬼は岩のように固まり、騒動は収まった。
巫女は、”けっして符を剥がしてはいけない”と言い残し、村を去ったそうだ。
それが赤鬼の伝承話である。

その話に興味を示した若者が村にやって来た。
彼らは夜中、神社に忍び込みんだ。
本堂に入ると、ひとりがスマホのカメラで録画を開始した。
もう一人が鬼の腰巻を脱がした。
そして、あろうことか符を外した。

朝、神主が本堂に入ると大声を上げた。
「鬼がいない!!!」
床のほうを見ると、二人の若者が傷だらけで倒れているのを発見した。
「誰だね、君たち?」
「うううぅぅぅ、、、、すみません、、、、」

赤鬼は昔からの村の主の家にドカドカと入った。
そして、家の人たちを暴行した。
「主はどこだ?」
「ううう、、、」
その日、主人の大磯幸之助は不在であった。

村の男たちが神社に集まった。
「俺たちで赤鬼を取り押さえよう!!」
「おう!!」
話を聞きつけたアキコとアズサもやって来た。
「私たちも協力したいです」
「いや、これは村の問題だ」
リーダーは拒んだ。
次の日、男たちは大磯家で鬼を待ち構えていた。
いっぽうのアキコとアズサは気になったので様子を見に行った。

男たちは無残な姿で倒れていた。
「大丈夫ですか?」
「ぅぅぅぅ、、、、強すぎる、、、、」
「これは、やるしかないわ」
二人は鬼退治をすると決意した。

二人は神主のところに行った。
「赤鬼について詳しく教えてもらえませんか?」
神主は話しにくそうな顔をしたが語り始めた。
「最初は、、、、赤鬼と村人は仲良く一緒に暮らしていたんじゃ。そのことが、、、、この国の大名に知られて、、、その大名が鬼嫌いでの、、、鬼を殺すよう大磯家の当主に命じたんじゃ」
「そうだったんですね」
「村の男たちが殺そうとしたのだが失敗。鬼は大怒りで暴れ回ったんじゃ。それからは伝承話通りじゃ」
「私たちに解決させてください」
「ふむ、、、、かつても女性が収めたから、今回もあなたたち女性に任せようか。これは封印の符じゃ」
「行ってきます」
二人は符を受け取った。
*** つづきにいく ***
