※大日本男復権協会・・・”男性至上主義”を掲げる団体。男権拡大のために各方面で活動している。創設者は、東郷寺重右衛門。
プロバレーボールのVV(ヴイヴイ)リーグでは、会長選挙が行われていた。
虎信(とらのぶ)候補と灰田(はいだ)候補の一騎打ちであった。
虎信は、男復権協会の会員であった。
公約は、”男子ファースト”で、男子リーグのプロモーション費を倍にし、女子への費用は大幅に削減するというものであった。
いっぽうの灰田の公約は、”地元密着・草の根交流”という地道なものであった。
両者は精力的な選挙活動をおこなっていた。
投票日になり、開票作業が始まった。
密使が東郷寺のもとに来ていた。
「どうなんじゃ、選挙は?」
「拮抗しています」
「いまのところ、我が陣営がわずかにリードしています。
あと少しで過半数にいきます」
「よしよし。相当金を使ったからな」
「ですが、、、、残りの票がMECの票でして、、、、」
「MEC!!サリナがいるチームか!!」
「はい。奴らは確実に灰田に入れます。となると、我が陣営は、、、、」
「早急に手を打て!!」
「こういう事態もあろうかと、ある男に依頼しました」
「ほう、気が利くの」
投票所に配達員がMECの投票箱を持って来た。
「遅くなりました、、、、」
「待ってましたよ。お疲れ様」
係員は最後の集計にとりかかった。
MECの票なので、灰田候補が逆転すると思われたが、、、、
なんと、虎信候補が勝ってしまった。
「えっ!なんで??」
「うわぁ、、、、灰田さんにいれたのに、、、、」
サリナたちは、驚き、悔しがった。
納得がいかないサリナは現会長のもとに行った。
「おかしいです!!私たちみんな灰田さんに入れたはずです!!」
「と言われましてもね、、、開票の結果がそうなんですから、、、」
「虎信は男復権協会のひとです!!きっと不正したに違いありません!!」
「わかりました。新会長の就任式までに不正の証拠を見せてくれたら考えましょう」
「本当ですね!!っていっても、あと24時間しかない!!」
サリナは急いで男復権協会のところに行った。
彼女は門下生のひとりをとっ捕まえた。
「あなたたち、VVリーグの会長選挙でなにかやったでしょ?」
「いえ、なんにも知りません、、、、」
サリナはキンタマをムギュッと握った。
「言わないと潰すわよ!!男じゃなくなるわよ!!」
「わっ、、わかりました、、、、教えますから、離してください」
「よし、早く言って」
「岩壁鉄山一派が票をすり替えるとかという話を小耳にはさみました」
「いわかべてつざん?」
「いままで負けたことがないという恐るべき武道家です」
「どんな武道なの?」
「なにやら剛亀流空手という防御に優れた武道らしいです」
「わかったわ」
「サリナさん、勝ち目無いですよ。どんな技も通じないら、、しい、、、」
その言葉が届く前にサリナは走り去った。
*** つづきにいく ***